パチンコはかつて日本の田舎で金のなる木だった。90年代半ばのピーク時には3000万人近くが打ち、通りすがりの車を狙ったパチンコ屋が街道沿いに次々と生えた。やがて客は歳を取り、交通量は減り、街道沿いの店は一軒また一軒と死んでいった。角に小さなガラスの円塔を付けた90年代初頭の白い建物、エメラルドもその一つだ。
店内では、台そのものはとうに運び出され、パチンコの列が瞬いていた場所には木の島だけが裸で残っている。それでも内装は生き延びた。ネオンの落書きが走る鏡張りの天井、通路の上のスペースエイジな照明。そして真ん中のスツールの上には巨大なだるまが鎮座して、入ってくる者を睨みつけている。2021年12月に訪れたが、目をそらすのが難しかった。