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姉川発電所跡

姉川発電所は1917年(大正6年)、地方の小さな水力電気会社によって建設された。日本の電化黎明期の建物だ。煉瓦造りの機械室は615キロワットというささやかな電力を生み、20年以上にわたって周辺の田舎に電気を供給した。1940年頃、同じ水源を使うより大きな発電所が稼働すると旧発電所は役目を失い、余水運転でしのいだ末、1944年にひっそりと廃止された。

今では森がすっかり呑み込んでいる。杉木立の下に残るのは築100年を超える煉瓦の外殻で、アーチ状の開口部は屋根のない小さな聖堂のようだ。機械は失われ、タービンが回っていた場所には羊歯が絨毯のように茂る。文化財として保存する話もあったが費用の壁に阻まれ、煉瓦は苔に委ねられた。撮影は2024年春。