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空色クリニック

かつて巨大な診療所だった「空色クリニック」は、今では竹の軍団に侵食され、建物の大部分が崩れ落ちています。とはいえ、診察室と手術室は奇跡的に無傷で残っています。廃病院ではよくあることですが、ここでも同じ光景が広がっていました。

私が訪れたのは蒸し暑い夏の日。汗を拭うために、長崎で手に入れた軍艦島の絵が描かれた美しいフェイスタオルを首に巻いていました。帰り道、数キロ離れた銭湯に寄ったときにそのタオルを無くしたことに気付きます。時刻は午後9時を過ぎ、辺りは真っ暗な日本の夜。しかし、どうしても取り戻したかった私は、夜の廃クリニックを一人で再訪しました。思っていたほど怖くはなく、落ち着いて写真を数枚撮りながら、無事にお気に入りのタオルを見つけ出しました。